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【テニプリ】闇菊【R18】

第23章 【エイジトテニス】




やだ、私、考えなしに英二くんに頼んじゃった……


英二くんがテニスを何故やめたのかは知らないけれど、よほどの理由があったはず。
それをちょっと考えればテニスラケットが入っているのが分かるのに、確認して移動させてだなんて……


「き、菊丸くん!あとは私がやりますから、外のほうお願いします!」


今にも箱のふたを開けそうな英二くんと、その箱の間に割って入ると、彼を外へと誘導する。


私の気の回しすぎかもしれないけれど、それでも一度気になったら、そのままお願いする気にならなくて……


そんな私の行動に少し驚いた顔をした英二くんは、ふーん?とちょっと怪訝な顔になり、んじゃそうするーと立ち上がる。


「ちょい、佐藤~、こっち来て小宮山さん手伝ってくんない?」


オレ、トイレー、小宮山さんからかったの罰あたったのかにゃ?ちょっと腹の具合がー、なんてお腹を押さえながら英二くんは苦笑いをし、みんなが大爆笑するなか倉庫から出て行った。


本当にトイレ……?
みんなの前でおどける英二くんの笑顔はいつもと変わらないものだけど……その背中が何故か気になり彼が出て行った先を眺め、ざわめく胸をギュッとおさえた。









「門関係の大型道具は奥に戻してください。平均台やマットなどは中頃へ、事前練習で使うものは手前の方へ、皆さん、協力して入れてください。うまく考えて入れないと入りきらないので!」


体育祭に向けて使う頻度を考えて、みんなに指示を出しながら後かたづけをする。
あ、それはまだです、こっちが先です、そう全体を見回しながら頭の中でパズルを組み立てる。


「なによ、偉そうに!」


はいはい、そう言う声があがるのは想定の範囲内ですよ、そう思いながらその声を無視してどんどん指示していく。


今は何を言われてもさっさと終わらせたい。
結局、あのまま戻ってこなかった英二くんの事が気になり、私はスピード最優先で物事をおし進めた。

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