第22章 【カベノムコウ】
立ったままの行為に脚がガクガクして、彼の支えが無くなると、そのままズルズルと崩れ落ちるようにしゃがみこむ。
荒い息を整えながら、なにもこんな所で……そう振り向いて英二くんの顔を見上げると、ゴメンって、でもこーゆーのも興奮すんじゃん?そう言って彼は私の処理をしてくれながら、テヘッと笑ってペロッと舌を出す。
そんな彼の様子に私はもう何も言えなくて、ああ、世の中に、彼以上にテヘペロが似合う男子高校生っているのでしょうか……?そう思いながら乱れた服を整える。
「大体、なんでこんな場所知ってるんですか?」
「へっへーん、オレ、何時でも小宮山とできるように、学校中探索してんの!」
そう得意げに言う英二くんに、なんなんですか?それは、そう赤い顔で苦笑いをする。
それからハッと気が付いて、委員会の時間!そう思わず声を上げていまい、慌てて口を塞ぐ。
腕時計を確認すると、あと10分ほど時間があり、良かった、コレならじゅうぶん間に合いますね、そう言って英二くんを見上げると、彼はドアに耳を当てながら、ソレなんだけどさ、そう苦笑いして目をそらす。
「なーんかさー、入ったはいいけど、でるタイミングが掴めないんだよねぇ~……」
え!?って慌てて立ち上がると、英二くんの横に立ってドアに耳を押し当て外の様子を伺う。
外は楽しそうな生徒達の話し声が近づいてきては遠退き、また近づいてきては遠退くを繰り返す。
今かな?って思ってドアノブに力を込めると、直ぐにまた声が近づいてきて諦める。
「ど、どうするんですか!?委員会、始まっちゃいますよ!」
「うーん、どうしよっか?」
「どうしよっか?じゃなくて!なんで入る前に気が付かなかったんですか!?」
そう小声で抗議しながら頭を抱えてしゃがみ込むと、小宮山だってたった今、気が付いたくせにー、そう英二くんは頬を膨らませる。
「もうさ、このままサボっちゃう?」
「サボりませんよ!」
そう言う私に英二くんは、やっぱり?そう苦笑いをして、やっぱコレっきゃないか、そう言ってポケットから携帯を取り出すと、サッと操作してどこかに電話を掛け始めた。