第22章 【カベノムコウ】
「ヤダよ、オレだけイクなんて、カッコ悪いじゃん!」
声が出てしまうことを恐れて必死に彼の手を退けようとする私に、彼はニヤリと笑ってそう耳元で囁く。
そんなこと言ったって、そう涙目で訴えるも身体のほうは正直で、英二くんが与えてくれる刺激に流されて、どんどんと押し上げられてしまう。
ダメ、コエ、出ちゃう、そう必死に首を振るけれど、それでもこのまま流されて快楽に溺れてしまいたい気持ちもあって、寧ろ既に引き返せないところまで来てしまっていて、もう見つかっても知らないからっ!そう開き直る自分がいた。
「んんっん、ん、んはっ、はあっ、あっあん!」
抵抗をやめると身体と心の高ぶりは一気に加速度を増していき、必死に我慢していた声はやっぱり抑えられなくなっていて、ただひたすら彼から与えられる快感に身を委ね、もうすぐにでも訪れる快楽の果てへと突き進む。
すると英二くんは急いで胸の方を刺激する手を離すと、その手で私の口をぐっと押さえ込み、それから一段と激しく腰を振る。
「ん、んん、んんんーーーーーっ!!」
上手く息が吸えないのとその動きの激しさに、思わず目を見開らいたその瞬間、身体がビクビクッと痙攣し、それからハアンと幸せに満たされた大きなため息を吐きだした。
そんな私の様子を見届けた英二くんは、すぐに私の最奥まで思い切り付き上げると、耳元で苦しそうな吐息を漏らして、それからゆっくりと熱い欲望の全てを吐き出した。
「はは、危ねー、すぐイク小宮山より先にイったら、オレ、しばらく立ち直れないもんね」
そう言って英二くんは壁に頬寄せて絶頂の余韻にひたる私を後ろから抱きしめると、セーラーを後ろに引いてうなじを露わにし、その奥に甘いしるしを残して満足そうに笑った。