第115章 【ミライへ・・・】
「あーあ、オレ、女の子が産まれたら、璃音と娘にオレの取り合いしてもらうのが夢だったのにぃ!」
「ふふ、残念でしたね。ヒカリ、超ブラコンですから・・・」
ソラー、ブランコ押してー?、そうソラの手を引っ張るヒカリの要求に、パタンと本を閉じその手を繋いで遊具の方に歩き出すソラ・・・
「英二くんの誘いは気分が乗らないときっぱり断るのに、ヒカリのお願いは何をしてても絶対聞いてあげるから、ソラもなかなかのシスコンですよね。」
「なんなんだよー、もう!うちの子供たちは・・・」
「ふふ、でも私、一人っ子ですから、兄妹で仲良くしてるのをみてると嬉しいですよ?」
ソラ、ありがとうー、そう遊具へと向かう2人に声をかけて、その行動を遠くから見守る。
英二くんにそっくりだけど、性格は私に似ているソラと、見た目は私にそっくりだけど、英二くんのように活発なヒカリ・・・
英二くんが一緒じゃない時は、そんなヒカリの動きに着いていくのが大変で、私の代わりに歳の離れたソラが相手になってくれる。
だから、ヒカリがソラを大好きなのは当たり前で、ソラもヒカリを可愛がってくれるから、本当に助かっていて・・・
英二くんは相変わらずアイドルとして忙しい毎日を過ごしていて、なかなか一緒にいられないし・・・
「こうなったら、『ミライ』にかけるもんね!」
「・・・『ミライ』って、この子の名前ですか?」
「そそ、菊丸家の明るい未来を願って『ミライ!』・・・ヤダ?」
「いいえ、素敵な名前だと思います!・・・でも、まだ女の子と決まったわけじゃ・・・」
少し目立ち始めたお腹を擦りながら、お父さんは気が早いですね、そう言ってクスクス笑う。
女の子だよ、ぜーったい!そう言って英二くんが私の手に自身の手を添えてくれる。