第115章 【ミライへ・・・】
「いいと思いますよ・・・女の子でも、男の子でも、『ミライ』・・・」
でも・・・、ちょっと考えながら、英二くんの顔をのぞき込む。
私一人の「大好き」じゃ、英二くんは物足りないんですか?そう少し頬をふくらませながら聞いてみる。
そんな私の質問に、大きな瞳を更に見開いて、そんなわけないじゃん!、そう英二くんがブンブンと大きく首を横に振る。
「英二くん、私、高校生の頃からずっと、英二くんのことが大好きです・・・」
「ん・・・オレも、璃音がすげー・・・好き・・・」
色々なことがあった。
辛いことも切ないことも、嬉しいことも楽しいことも・・・
色々なことを乗り越えて、私たちはこうして前を向いてずっと一緒に笑いあっていける・・・
私たちだけじゃなく、私たちを支えてくれる大切な人たちも・・・
英二くんと出会えたおかげで手に入れた、大切な大切な、かけがえのないタカラモノ・・・
そっと英二くんの胸に頬を寄せると、キョロキョロと当たりを気にして、それからゆっくりと優しくキスをしてくれる。
ずっと変わらない・・・
英二くんがずっと夢見ていた菊丸家のような賑やかな家庭を、今までも、これからも・・・
目を細めて青い空を眺める。
真っ直ぐに伸びる白く光るひこうき雲・・・
遠く憧れ、眺め続けた青い空・・・
もがき続けた暗闇の底から、優しく照らし包み込んで救い出してくれた暖かな光・・・
そして、明るい未来へ____
【ヤミニサクキク】完
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