第115章 【ミライへ・・・】
「あらー、英二くん思い切ったわねぇ・・・」
「そういう問題じゃなくて!私、英二くんの事務所から別れるように言われてるんだよ?」
英二くん、事務所と喧嘩する気?、そう慌てて通話を掛けようと携帯を手にしたけど、生放送中だから繋がるはずもなくて、ただテレビ画面の英二くんを見守しかなくて・・・
「それって、前に雑誌で話してたずっと想い続けている女の人?まさか別人ってことないよね?え?再会したの?」
「うんにゃー!偶然なんだけど、この前見つけることが出来て!しかもなんと!オレの子供まで連れていて!オレ、突然父親になっちゃったんだよー!」
オレそっくりの男の子で、すんげー可愛いの!、そうデレッデレで話す画面の向こうの英二くん・・・
ソラのことまで!?とますます顔から血の気が引いていって・・・
スタジオの他の出演者はもちろん、Moonlightのメンバー達も、英二くんの爆弾発言に驚いていて、英二くん本当になんの打ち合わせもなしに独断なの!?そうオロオロしてしまう。
「知らなかったこととはいえ、今まで放ったらかしにしてたことは、全部オレの責任だし・・・って、別に責任とるために結婚する訳じゃないぞ!
オレがずっと彼女を想っていたのと同じように、彼女もオレのことを想い続けてくれていて、息子も賛成してくれたから・・・じゃあ、障害はなんもないじゃん?って・・・」
いやいや、ファンの皆さんと事務所の理解が得られるかが一番の障害で・・・
そうオロオロし続ける私に、お母さん、そうソラが声をかける。
「落ち着きなよ、お父さんが心配しなくていいって言ったのなら、信じて任せておけばいいじゃん?」
「そうよ、璃音はいつもひとりで悩んで暴走するからね。英二くん、ちゃんとそんな璃音のこと分かっていて、暴走する前に動いてくれたんでしょ?良い旦那様じゃないのー!」
なに?この人たちの余裕・・・
お母さんはともかく、5歳児にまで諭される私って・・・
でも、ふたりの言うことは最もで、こうやって生放送で暴露されてしまえば、もう私は英二くんに全てを任せるしかなくて・・・