第114章 【アノヒノヤクソク】
「はぁ・・・緊張した・・・」
「うんにゃー、オレもー・・・」
すっかり暗くなった道を、英二くんと並んで歩く。
昼間、フラフラとこの公園に訪れた時には全く考えられなかった一日に、張り詰めていた緊張の糸がやっと緩んで、安堵のため息が溢れる。
「私たちは本人同士が良ければそれで・・・璃音の気持ちは聞かなくても分かるから大丈夫だね・・・?、英二くん、璃音とソラを見つけてくれて、本当にありがとう。」
お父さんのその言葉に涙が溢れた。
今まで、ずっと親不孝している自覚があったから・・・
そんなこと言われたことは無かったけど、やっぱり申し訳ないと思っていたから・・・
これからは、英二くんと一緒に、幸せになるから・・・
きっと、私が幸せでいることが、2人にとって最高の親孝行だと思うから・・・
その後、今度は慌ただしく英二くんのお宅へと挨拶に向かった。
これからですか!?そう慌てる私に、だってオレ、もう当分オフないんだもん!って言われて、心の準備も何も出来ずに、もう本当に勢いのまま英二くんについて行くしかなくて・・・
「おかえり、英二。随分ゆっくりだった・・・わ、ね?」
英二くんのお宅に伺うと、迎えてくれたお姉さんは固まってしまって・・・
そりゃそうだよね、突然、とっくに別れたと思っていた私が一緒に来て、しかも英二くんそっくりのソラまで連れていったんだから・・・
「・・・あ、あぁぁぁぁぁ!おか、おか、おと、お・・・お父さん!!お母さん!!!」
物凄く慌ててお姉さんが英二くんのご両親を呼んで、なにごと?と様子を見に来たほかの御家族達も私たちを見た瞬間、驚きのあまり固まってしまって・・・
「はぁー、なにもあんなに怒ることないじゃん・・・ったく、ちょっとは手加減しろっての!」
リビングに招き入れられて、英二くんが事情を説明すると、英二くんのご両親だけでなくお姉さん方も凄い怒っちゃって、英二くんをポカポカ殴りながらひたすら私に謝られて・・・
英二くんは何も悪くないのに、私が勝手に産んだんですからって私もひたすら謝り続けて・・・