第19章 【フジトエイジ】
最初はほんと、オレが軽い気持ちでさ、小宮山の気持ちなんてお構いなしでさ……そう空を眺めながらゆっくりと口を開き始める。
小宮山に初めてあったのは2年に進級して教室に入ったその時で、その時はただ随分真面目そーな子だなって思って、オレ、菊丸英二、よろしく~って挨拶したら、チラッとこっち見て、はいってぶっきらぼうに言うだけだった。
でもコッソリ頬染めて本に隠れてこっち見ててさ、なーんだ、オレのこと好きなんじゃん?って思った。
自己紹介の時間になって、あいつの番になって、小宮山璃音です、よろしくお願いします、そうツンツン言ってさっと座ったとき、ああ、コイツが小宮山璃音かぁーってクラス中が騒然となった。
小宮山璃音と言ったら、高等部になってから中等部の頃に大石がキープしていた首席の座をずっと独占している名前だから。
そういや入学式の代表もこの子だったなー、なんて思った。
実際、授業が始まり通常通りになると、同じ首席でも大石とは全く違ってて、誰とも話さずいつも一人で本ばっか読んでる子でさ、その声を聞くときと言ったら授業中だけでさ。
ふーん、大石って言うより手塚だね、オレ、苦手なタイプーって思って、明るく元気な菊丸英二くんとしては笑顔で挨拶だけはしないとねん、そう思って後は出来るだけ関わらないようにしてた。
ある日、いつものように仲間と遊んで朝帰りして、付いてくんなっつーのにくっついてきたバカ女と、仕方がないから公園でヤってる途中でなんか気配がして、やべ、見られた?なんて思って見上げると、そこにいたのは全然雰囲気違う小宮山だった。
あいつ、すんげーびっくりした顔をして固まっててさ、へー、小宮山って普通にしてたら美人じゃん?そう思ったらソソられてさ、目があった瞬間、思わずヤってみてーって笑ったら、あいつ、すげー怯えて慌てて逃げていってんの。
あー、本性出しちゃったのバレた?って思ったけど、もうオレ、スイッチ入っちゃって、小宮山、抱いたらどんな風にナクんだろ?とか想像したらすんげー興奮して止まんなくて、手っ取り早く突っ込んでる女で吐き出して、一回じゃ収まんなくてすぐにまた繰り返した。