• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第111章 【ホコレルヒトニ】




ガサガサと目の前の茂みが揺れる。


やべ、誰か来る!
慌てて起き上がり、雑誌で顔を隠す。


あぁ、なんか、懐かしい・・・
あの時みたいだ・・・ちょうどこの位置で、そこの茂みが揺れるのを見ていた。
・・・思いっきり、オトモダチを下に敷いていたけれど・・・


どうしよう?って考えてる間に、ひょこっと璃音が顔を出したんだ。


本当に、出てきてくんないかな・・・




あん時みたいに、そこからもう一度・・・








出てきてくんないかな___?
















懐かしいシチュエーションと根拠の無い期待に胸がドキドキする。
そーっと向こうから人が顔をのぞかせる。


・・・へ?


意味がわからず、パチパチと瞬きをする。


だって・・・この顔・・・


大きいパッチリとした二重の目、特徴のある赤茶のくせっ毛・・・
無表情でオレをジッと見つめるその男の子の顔は、初めて会った気がしないもので・・・


ポケットを探ると、テープ式の絆創膏を取り出す。
ピリッと破くと、そーっと近ずいてその子の頬へと貼り付ける。


・・・やっぱ、オレーーーーー!!??


尻もちをついて、そのままズササササと後退りをする。
いや、オレはオレだからオレってことは無いんだけど・・・


でも、とても他人とは思えないほどそっくりで・・・


オレにこのくらいの年齢の親戚っていたかな・・・?
一番上のにーちゃんの子どもはまだ産まれたばっかだし・・・


って、落ち着け、菊丸家の親戚とは血が繋がってないんだから、こんなにそっくりなはずないか・・・


つうことは・・・おかーさんの子?
って、まさかオレの弟か!!??


なんだよ、前に会った時、なんも言ってなかったじゃん!
そう言う重要なことは、何かの時のためにちゃんと話しとけよなー、そう頬をふくらませながら、携帯でおかーさんのLINEを呼び出す。


だけど、すぐに頭をよぎった別の考え・・・


「・・・お前、何歳?」


いつの間にか茂みを乗り越えこちら側に来て、これ、見せて頂いてもいいですか?、そうオレの雑誌を指さすその子に問いかけた。

/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp