第18章 【メバエタオモイ】
「……小宮山、早速で悪いんだけどさ?」
ふと英二くんの動きが止まり、そう私の顔を覗き込むから、え?って思って見上げると、英二くんは指で頬をかきながら、今、いい?そう苦笑いをして目をそらす。
「え、もう本当に時間ないですよ……?」
「大丈夫、一時間目には間に合わせるからさ?」
「2人で朝のHRにいなかったら、何か言われちゃうかもですよ……?」
「そんときは委員会って言えばいーじゃん?」
「でもっ……っ、んむっ!」
なかなかうんと言わない私にしびれを切らしたのか、英二くんは私の唇をキスで塞ぐと、すぐに舌を侵入させて強引に絡ませる。
もうそうなっちゃうと私の意識はすぐにトロンとなっちゃって、仕方がないなって気になっちゃって、そんな私の身体を英二くんは学ランで包み込むと、そのままそっと組み敷いて首もとに甘い痛みを残す。
全くもう、そう苦笑いしながらも、彼がまた私にしるしを付けてくれたことが嬉しくて、そんな英二くんを受け入れ瞳を閉じる。
ふと英二くんが思い出したかのように顔を上げ、あのさ、と私の顔を見下ろしながらニヤリと笑うから、そのいたずらっ子のような彼の笑顔にイヤな予感しかしなくて、な、なに?っておずおずと覗き込む。
「今度、オレにもやってよ?不二にやったやつ、最後までさ……?」
そんな英二くんの言葉に、しらないっ、そう真っ赤な顔で呟いて、それから頬を膨らませながら彼のワイシャツをギュッと握り締めた。