• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第110章 【アイシテル】




「あの・・・一つだけ、お願い、きいて貰えますか?」


涙を拭いたオレの腕の中で、小宮山がオレの顔を真っ直ぐに見つめてそう問いかける。
小宮山が、オレにお願い??


今まで、滅多に小宮山がオレに何かお願いをすることはなくて、あった時は相当の強い意志を見せたときで、やっぱり今もその目からは、強い覚悟と意志が感じられて・・・


「・・・ん、何でもいって?」
「はい・・・あの・・・」


ゆっくりと口を開く小宮山・・・
一瞬、視線を下げたけど、首を震ってまたオレと視線を合わせる。


「英二くん・・・将来・・・私・・・が、誇れる男の人になって・・・?」


それって・・・?、自分の気持ちを言葉にするのが苦手な小宮山のお願いは、いつもの事だけどなかなか直ぐにその意図を理解できなくて、目をパチパチさせるオレに、あっ・・・って視線を揺らす。


「ごめんなさい・・・その、つまり・・・大人になって・・・どこかで、英二くんの噂を聞いた時に、私が好きになった男の人は、こんなに素晴らしい人なんだって、胸を張れる人になっていて欲しいんです・・・勝手なお願いなんですけど・・・」


言い直した小宮山の願いは、最初よりずっと具体的になっていたけれど、なんでそんなことを言うのか、やっぱりよく分からなくて・・・
だけど、それは、やっぱりもう、小宮山がオレと二度と会うつもりはない、っていうことだけは理解出来て・・・


「やだよ!なんで将来とか言うんだよ!しらねーって、将来なんか!!」
「英二くん、あの・・・」
「やだかんな!、『いつかどこかで』なんて、オレ、絶対やだかんな!」


そう、絶対、そんなの嫌だ。
小宮山が大人になった時、どこかでオレの噂を聞くなんて・・・


噂なんかじゃなくて、ずっと一緒に、ふたりで支え合いながら大人にならなきゃ・・・






やだかんな・・・?











/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp