第109章 【カラッポ】
「英二、酷ぉーい!!何回LINEしてもずっと未読スルーなんだもん!!」
学校に着くと、派手な女が不満げな声を上げて駆け寄ってくる。
ああ、そうだ・・・これもあったんだった、そう自分がしてきたことへのしわ寄せに頭を抱える。
「ごめん、オレ、もう、そういうことしないから・・・」
オレのその言葉に、ええー!?、なによ、それ!!??、そう女が大声を上げる。
その瞬間、一気に集まる周りの視線・・・
すごく気まずいし、居心地悪いし、だいいち、小宮山のことが気になるから、さっさと教室に行きたくて、その場から逃げ出してしまいたくなる。
だけど、どんなに文句を言われても、振り回したオレが悪いんだから、ただ謝るしかなくて・・・
今回は関係ない学校の女の子達だから、前の割り切った付き合いだったセフレを切り捨てる時のように、冷たくあしらう訳には行かなくて・・・
「本当にゴメン、オレ、ヤケになってて・・・何言われたって仕方がないけど・・・」
とにかく謝るしかないよな・・・
そうもう一度頭を下げて謝罪する。
だけどどんなに必死に謝ったって、はい、そうですかって簡単に納得してもらえるはずなくて・・・
他の女たちも集まってきて、ちゃんと説明してよ!、そう一丸となってオレを責めてきて・・・
「冗談じゃないわよ!散々、私たちの身体好き勝手しといて!」
「酷い・・・私・・・英二が好きだから、ちゃんと言う通りにしたのに・・・」
怒りに任せて怒鳴り散らす女や、感極まって泣き叫ぶ女・・・
そんな女たちに、何だよ、最初からヤるだけだって言ってたじゃん、とか、お前らだって喜んでたじゃん、とか、そんなふうに思わないでもないんだけど、オレが振り回したことには変わりないんだし、やっぱそんなこと言えるわけなくて・・・
だからって、どうやったらこの状況を収られるかなんて、全然わかんなくて・・・