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【テニプリ】闇菊【R18】

第108章 【セイナルヨルニ】




ドキドキ、する・・・
ううん、バクバクする・・・


「クスっ、まずはいつも通り、キス、しようか?」


覚悟をしてきたつもりだったけど、いざその時が来ると、緊張で身体が固くなってしまって・・・
そんな私に周くんは優しく微笑んでくれて、それからふわりと抱えてベッドへに座らせると、いつものように触れるだけのキスをする。


「璃音、好きだよ?」


髪を掻きあげ、耳元で囁かれる。
周くんの低音ボイス・・・とても甘い・・・


そのまま、はむっと耳たぶを甘噛みされて、それから頬に移動し、また唇に・・・


すごく優しい・・・
繰り返されるキスも、私の名前を呼ぶその囁き声も、髪や頬を滑らせる指使いも、何もかも・・・


私がリラックスしたタイミングで、キスの雰囲気が変わる。
それを素直に受け入れ、周くんの首に回した腕に力を込める。


周くん・・・大好き・・・
英二くんに捨てられて、ボロボロになった私なんかのことを、好きだって、大切だって言ってくれる・・・


そんなこと言って貰える資格なんかないのに・・・
私なんて、英二くんにいらないって捨てられた、お下がりなのに・・・


ドクン___


その瞬間、心臓が大きくざわめいた。


周くんの身体が傾き、そのままマッドへと沈められる。
上から角度を変えて重ねられる唇・・・
服の上から包まれる胸の膨らみ・・・


「璃音・・・璃音・・・」


ドクン、ドクン___


耳元で繰り返される呼び声・・・
その度に、大きくなっていく心臓のざわめき・・・


どうして・・・?
周くんが夢中になってくれているのに・・・
私、周くんが好きなのに・・・こんなに好きで、大切に想ってるのに・・・
















「・・・え、いじ、く、ん・・・」



















思いとは裏腹に、私の口を着いたその名前は、






今、私を包み込んでくれている、







彼のものではなかった____

























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