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【テニプリ】闇菊【R18】

第108章 【セイナルヨルニ】




「本当にありがとう、大切に使わせてもらうよ。」
「・・・いえ、やめた方がいいです、バカにされちゃいます・・・」


そんなことないよ?、そう言ってクスクス笑う周くんの前で、そんなことあります、なんて言って頭を抱える。
本当に周くんの笑顔はいつものことだけど、本音なのか建前なのか分かりにくくて・・・


周くんは私が作ったお料理も、このリストバンドも、とんでもない出来なのに、いつも笑顔で喜んでくれて・・・
でも、本当は、相当無理してるんじゃないかな?って申し訳なくなる・・・


ヒヤリ、突然首に感じた冷たい感触に驚いて肩を跳ねさせる。
それから、すぐ後ろに周くんの気配・・・


え?って思って振り返ろうとしたけれど、今度は胸元にキラリと光るシルバーの飾りに目を見開く。
これって・・・


「これは僕から。」
「そんな!、こんなの、受け取れませんよ!」


だって、一目見ただけでわかる。
このモチーフは有名ブランドのクリスマス限定ネックレス・・・
素敵だなって雑誌に付箋を貼って眺めていた。
お値段も素敵すぎて、とても手が出なかったけど・・・


どうして・・・?
私、周くんにそんなこと一言も言わなかったのに・・・


「いいんだよ、僕が璃音にあげたかったんだから・・・それに僕は璃音から一番大切なものを貰うしね?」


ヒンヤリとした感触がなくなった頃、その首筋に感じたのはとても暖かい感触・・・
ううん、とっても熱っぽい・・・


周くんの唇・・・


それにどんな意味があるか分からないほど、私はもう純粋じゃない・・・


「・・・あ、あの・・・」
「嫌なら、今、言って?、これ以上進むと、今日は止まれる自信ないから。」


私を後ろから包み込む周くん・・・


嫌、なわけない。
周くんは私をずっと支えてきてくれた・・・
辛いときも、幸せなときも、いつも側で私の気持ちに寄り添ってくれていた・・・


嫌、なんてありえない。
答えの代わりに振り返ると、しっかりと周くんの首に腕を回した。

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