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【テニプリ】闇菊【R18】

第107章 【ヌクモリヲモトメテ】




・・・そう思って、英二先輩に真実を告げたんだけど・・・
やっぱり、遅すぎた気がして・・・


「ねぇ、桃城くん、大石さんの連絡先、今すぐ教えてくれない?」
「な、なんで大石先輩!?、はっ!まさか鳴海、お前、今度は大石先輩のことを・・・」
「馬鹿なこと言ってないで、いいからさっさとしてよ。」


桃城くんの変な勘ぐりを軽くあしらい、大石さんの連絡先を無理矢理ききだした。
すぐさま通話をかけて、英二先輩の支えになって欲しいことをお願いした。


きっと、小宮山先輩は不二先輩を選ぶから・・・
英二先輩には、さらに辛い現実が待っているだろうから・・・


「・・・お願いします、多分、英二先輩の家のすぐ側の公園にいますから・・・東屋に・・・」
「・・・どうして、そんなことまで・・・?」


英二先輩のことなら、なんだって分かる・・・
ずっと、先輩を見続けてきたから・・・


あの時は、小宮山先輩への嫉妬で、視野がとても狭くなってしまっていたけれど・・・
今なら、冷静に、遠くから全体を見渡せる・・・


大石さんの疑問に、偶然です、そう返事をして、それから私のことを口止めする。
これ以上、英二先輩に関わらない方がいい、そう自分自身に言い聞かせる。


これ以上、関わったら、思い出してしまう・・・
諦めると決めた、あのどうしようもない恋心を・・・


思い出してしまうから・・・


しくんと痛む胸をギュッと抑える。
それでは、失礼します、そう深々と頭を下げる。


「あっ!、送っていくよ、もうこんな時間だし・・・」
「・・・いえ、大丈夫です、一人で帰れます。それに・・・」


桃城くん、いるんでしょ?、そう声を上げると、近くの茂みから「ヒイッ!」なんて叫び声が聞こえる。
いつまで隠れて見てるの?、そう呆れながら声をかけると、バツが悪そうに頭をかきながら、桃城くんが顔を出す。

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