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【テニプリ】闇菊【R18】

第107章 【ヌクモリヲモトメテ】




「英二!!」


思いがけない声に驚いて振り返る。
そこには、オレのところに駆け寄ってくる大石の姿・・・


なんで、大石がここに・・・?
そう思ったと同時に、目から大粒の涙がこぼれ落ちる。


「・・・大石・・・おおいしぃ・・・!!」


思いっきり手を伸ばす。
なんで大石がここに来てくれたかは分かんないけど、ひとりぼっちが辛かったから・・・
自分ではどうしようも出来ない胸の痛みに、押しつぶされてしまいそうだったから・・・


「・・・なんで、大石がここにいんのさ?」
「俺と英二の仲じゃないか。英二のことなら、なんだって手に取るようにわかるさ。」

「なんだよ、それ・・・、別に今、シンクロしてないぞ・・・?」
「はは、そうだな・・・」


大石がオレの身体を支えてくれて、よしよしと頭を撫でてくれる。
全身でスキンシップをするオレに付き合って、オレを受け止めてくれるのはいつもと同じ・・・


「大石、オレ、小宮山のこと・・・そのせいで、小宮山だけじゃなく、不二にも・・・」


一人で抱えきれない想いを、大石にぶちまける。
今までは、大石にも言えなかった・・・
分かってくれていただろうけど、それでもオレの口からはなにも・・・


「大石、オレ、ひとりぼっちになっちゃったよ・・・もう、小宮山も、不二も、乾もタカさんも・・・」
「大丈夫、乾もタカさんも英二をひとりになんかしないさ。不二だって・・・今は無理でも、いつか、必ず・・・」


それに英二にはあんなに賑やかな大家族がいるだろ?、そう続けた大石の言葉に、ブンブンと思いっきり首を横に振る。
家族だって・・・もう、以前のようにはいかない・・・


無理やりねーちゃんにキスをして、学校でも好き勝手して、オレのこと、みんな腫れ物に触るような顔で見てる・・・


もう、オレのいる場所なんて、どこにもない・・・
全部、全部、オレがぶち壊したんだ・・・


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