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【テニプリ】闇菊【R18】

第107章 【ヌクモリヲモトメテ】




よく見れば、上下に揺れる肩、汗ばんだ額・・・
大石がここまで走ってきたのは一目瞭然で・・・


「・・・誰に聞いたの?、まさか・・・」
「ああ、英二の元カノ・・・でいいのかな?、桃から俺の連絡先を聞いたって電話をくれたんだ。」


・・・やっぱり、鳴海さんか・・・


英二に真実を話したのもきっと彼女で、さらにこの状況を予想して大石に助けを求めた・・・
凄いな・・・英二のことなら、なんでもお見通し、か・・・


「だったら話は早い、大石、英二のこと、よろしく頼むよ。」


英二には今、理解者が必要だから・・・
家族の愛情とは別の、英二が心を許せる、絶対的理解者が・・・


「ああ、それは・・・不二も一緒に・・・」
「いや、僕は遠慮しとくよ。」


大石の誘いに、ゆっくりと首を横に振る。


僕はもう、英二に何もしてあげれないから・・・
英二とは二度と、元の関係には戻れないだろうから・・・


大石に頼むよ、そう呟いた声が震えているのは、きっと12月の凍えるような気温のせい・・・
空を見上げると、はぁ、と大きなため息があたりを白く染める。
その向こうには消えそうな三日月が輝いていた。


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