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【テニプリ】闇菊【R18】

第106章 【フユゾラ】




「・・・菊丸くん?」


どのくらいその場にいたのか・・・
後からオレを呼ぶ声にゆっくりと振り返る。


そこには、驚いた顔の小宮山のかーちゃんが立っていて、ああ、もう、小宮山のかーちゃん、仕事から帰ってくる時間なんだ・・・、なんてぼんやりと思った。


「・・・あ、璃音、いるはずだけど・・・でも・・・」


気まずそうに言葉を濁す小宮山のかーちゃん・・・
きっと知ってる・・・不二もいるってこと・・・


もう、小宮山のかーちゃん公認の仲ってわけね・・・


慌ててその場から逃げ出した。
あっ!、そう小宮山のかーちゃんが声を上げたけど、それ以上は呼び止められなくて、オレも止まる気はなくて・・・


夢中で走ってたどり着いたのは、いつも小宮山と会っていた公園の東屋。
一ヶ月前と何も変わんないそこは、もう確実に何かが違っていて・・・


「・・・なんで、謝らせてすら、くんないんだよ・・・」


オレが小宮山に謝りに行ったのに、小宮山の方が何度もオレに頭を下げて・・・
自分だけ言いたいこと言って、さっさと不二と家に入っちゃって・・・


「ゴメン、小宮山・・・本当に、ゴメン・・・」


謝るから・・・オレ、何度だって謝るから・・・
小宮山が、もういいですよ?って、笑って許してくれるまで謝り続けるから・・・


だから、小宮山・・・


オレのこと、許してよ・・・?
不二のところになんか、行かないでよ・・・?


ベンチに身体を投げ出すと、見上げた夜空が涙で滲む。


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