第106章 【フユゾラ】
いつだって小宮山はオレのことを許してくれた。
最初に最低なことをしたときも、ひどいこと言って無視したときも、裏切って芽衣子ちゃんを選んだときも・・・
もういいですよ?って、笑ってくれたから・・・
そうやってオレのこと、いつも甘やかしてくれたから・・・
だから、今回も、きっと許してもらえるって・・・
小宮山は、絶対、オレのこと、嫌いにならないって・・・
心のどっかで、甘いこと、考えてた・・・
「小宮山、オレ、小宮山がいないと、ダメなんだ・・・」
空に向かって両手を伸ばす。
遠く、もう手が届かないものに、必死になって・・・
幼い時から何度も繰り返したその行動は、求めるものの対象を変えてもなお繰り返される・・・
小宮山、またあんときみたいに、現れてよ・・・?
ずっと傍にいますよって笑ってよ・・・?
芽衣子ちゃんと付き合ってたとき・・・
小宮山を想いながらうたた寝してた教室で、目が覚めたら本当に抱きしめていてくれた・・・
あんときみたいに、強く求めるから・・・
もう、本当に泣かせないから・・・
だから、神さま・・・
もう一度だけ、
オレにチャンスをくんない___?