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【テニプリ】闇菊【R18】

第105章 【ココロノササエ】




「小宮山さん、もし本当にサンタクロースがいたら、何をもらいたい?」


並木道のイルミネーションを抜けた先・・・
クリスマスツリーに姿を変えたシンボルツリーの前で不二くんが問いかける。


サンタクロースに・・・そんな高校生には少し幼い発想も、この夢のような空間の中では、素直に言葉に出来るから不思議・・・


「・・・そうですね・・・強い心が欲しいです・・・簡単に折れてしまわない、強い心が・・・」


中学の時も、一生懸命がんばって、がんばって、がんばって・・・
最後にとうとう頑張れなくなってしまった。
ナオちゃんと香月くんから逃げて、引越しまでして違う学校を選んで、それで入った青学へも結局行けなくなってしまって・・・


周りに心配ばかりかけてしまう、もろい自分の心が嫌になる・・・


そんな私の願いに、不二くんは少し困った顔をするから、すみません、こんな話・・・、そう申し訳なく思って眉を下げる。


「不二くんは何をお願いしたいですか?、サンタさんに・・・」


慌てて空気を変えようと不二くんに話を振ると、___そうだな、そう不二くんが伏し目がちな視線をゆっくりと私へと向けるから、ドキリと心臓が跳ねた。


「___小宮山さん、が欲しい。」


真っ直ぐに向けられた視線・・・
熱くなる頬・・・


あ、あの・・・、なんとか声を振り絞る・・・


「ふふ、驚いた?」


なんて返事をしたらいいか戸惑う私に、不二くんの真剣な顔がいたもの笑顔に変わる。
さ、帰ろうか、そう言って優しく手を引いてくれる。


あ、はい・・・、不二くんに腕を引かれながら、ちゃんと不二くんを受け入れようと強く思う。
こんな中途半端な関係じゃなくて、ちゃんと彼氏と彼女の関係に・・・


この繋がれた腕の温もりを失いたくないから・・・
きっとこの気持ちも、好きと同じだから・・・


小走りで不二くんの横に並ぶと、彼が優しく笑いかけてくれる。
その笑顔がいつもより輝いて見えた帰り道___


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