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【テニプリ】闇菊【R18】

第105章 【ココロノササエ】




「美沙には連絡あるんでしょ?、璃音、なんて・・・?」
「うーん・・・まぁ・・・」


友人の問いかけに、歯切れの悪い返事をする。
というか、そう言うしかできなくて・・・


あの日、璃音が帰ったあとすぐに、大丈夫?、そうLINEを送った。
だけどいつまでも既読はつかなくて、雪の中、璃音の家まで行ってみた。


でも、何度インターフォンを鳴らしても璃音は出てくれなくて、やっぱり避けられてるのかな?って柄にもなく落ち込んだ。
それから、ブンブンと大きく頭を振って悪い考えを追い払った。


璃音は面倒くさい性格だから、きっとこんなことになってしまって、もう私に合わす顔がない、なんてくだんないことを考えてるに違いなくて・・・
だから、その顔を見て、バカ!って、もっと親友を信じなさい!って言ってやらないと気がすまなくて・・・


別に璃音が誰を選んだって構わないのに・・・
何度行っても会ってくれない、電話にも出てくれない・・・


「早く学校に来なさいよ、バカ璃音・・・」










「不二くん、はい、これ、今日の分。」
「ありがとう、市川さん、毎日ゴメンね。」


放課後になると毎日不二くんのクラスへと向かう。
璃音の休んでいる間、毎日取り続けている授業のノート。
学年首席の璃音に、後ろから数えた方がずっと早い私のノートなんて意味ないかもしれないけれど、それでも私の気持ちは分かってもらいたくて・・・


「別に、璃音のためにやってることで、不二くんにお礼を言ってもらう必要も、謝ってもらう理由もないから。」
「それもそうだね、ゴメンね。」


私の愛想のない仏頂面にも、不二くんは人の良い笑顔をむけるから、そんな彼の対応に罪悪感で自分が嫌になる。


ごめん、不二くん・・・完全な八つ当たり・・・
だってあんたは璃音に毎日会ってもらえるんでしょ?
私はLINEすら読んでもらえないのに・・・


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