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【テニプリ】闇菊【R18】

第105章 【ココロノササエ】


美沙side~


「おはようー、美沙!」
「・・・おはよう。」


教室に入るといつものように飛んでくる挨拶の声・・・
いつものように挨拶を返すと、いつもと違う隣の席に視線を落とす。


「・・・璃音、今日も来ないのかな・・・?」
「多分ね・・・」


前の席の友達と一緒に目を伏せ、深いため息を落とす。
あの日・・・、不二くんと一緒に早退した日から、璃音は一度も登校していなくて・・・
先生は風邪だと言っていたけれど、それにしたってもう二週間以上経っていて・・・


それに・・・、チラリと視線を窓際の元自分の席に移す。
そこには膝の上にどっかのクラスの女子を乗せて、人目をはばからずイチャコラしている英二・・・


「・・・英二もさ、すっかり変わっちゃったよね・・・」
「ん・・・」


英二は確かに昔から男女問わずスキンシップが多いやつだったけど、今のはそれとは全然違って・・・
いつも違う女を周りにおいて、その場でおっぱじめるんじゃないか?ってくらいの勢いで・・・


変わってしまったといえば、英二と不二くんの関係・・・
不二くんは一切うちの教室に来なくなったし、校内で顔を合わせても声は愚か、目すら合わせてなくて・・・
お互いの存在を完全に無視して、ただすれ違うだけで・・・


そんなふたりの変化に、みんなはやっぱり璃音と不二くんがホテルに行ったのが、本当だったんだって口々に噂していた。


でも私は璃音が本当に浮気をしたとは思えなくて・・・
だって、璃音、あんなに英二のことを想っていたのに・・・


だけど、私に席を変わってと言ってきたときの英二の目は、とても尋常じゃなくて・・・
英二が璃音と不二くんのことを誤解しているのは確かだろうけど、それは簡単に解けるものじゃないのは想像ができて・・・


だから、何も聞かずに席を交換した。
あの時の英二に何を言ったって納得出来る答えが返ってくるとは思えなかったから・・・


だけど、まさかこんな状態になるなんて・・・


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