第17章 【ユウワク】
目を閉じて覚悟を決めると、震える身体で必死に我慢し彼の次の動きを待つ。
大丈夫、平気だもの、私、ちゃんとやれるもの……そう心の中で何度も自分に言い聞かせる。
それでもなかなか彼の唇が首に触れなくて、不思議に思ってそっと目を開けると、クスクスと笑う不二くんと目があって、思わず拍子抜けしてしまう。
あ、え?そう動揺して不二くんを見ると、私の肩から手を離した彼が、ごめんね、試したんだ、そう言って優しく微笑んだ。
「やっぱり英二の出任せなんだね、小宮山さんがビッチだなんて有り得ないよ」
そう言う不二くんにホッと胸をなで下ろす。
良かった、私、やっぱり英二くん以外となんて……そう思ったところでもう一度、身体が固まり顔をこわばらせる。
ダメ、英二くんが私をビッチだって言ったんだもの、嘘だってバレないようにしないと……
不二くんにそう言い訳した時の英二くんの必死な様子を思い出し、ちゃんとしなきゃ、そうもう一度自分を奮い立たせる。
「……私、本当にビッチですよ?」
そう言って不二くんの首に腕を回し上目遣いで見上げると、小宮山さん!そう不二くんが慌てた様子で声を上げる。
そんな不二くんに構わずに、彼のワイシャツのボタンに手をかけて上から順番に外していくと、第2ボタンを外したところで、彼がその手をとめて首を横に振る。
「小宮山さん、もうやめるんだ、ちゃんとわかってるから」
「ふふっ、わかってないですよ?なーんにも」
ちゃんと不二くんにバレないようにしないとダメ、じゃないとますます英二くんに必要とされなくなっちゃう……!
英二くんが望んだことだもの、私、上手にやってみせる……!
ビッチなんてどうしたらいいか分からないけれど、とにかく不二くんをその気にさせなくちゃ。
そう思いながら私の手を掴んだ不二くんの手を持ち替えると、ピクッと動いたその指にそっと唇を落とす。
キレイな指……そう言ってそのまま口に含んで舌を這わせた。