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【テニプリ】闇菊【R18】

第101章 【ハツユキガフッタヒ】




「……なに?、嫌なの?」


その英二くんの声にビクッと肩が跳ねた……
だって、口調は穏やかだけど、その声はとても低い……


それは、英二くんが怒った時に出すもの……
もうすっかり聞くことは無くなったけれど、セフレだった時はよくこの声で怒られてた……


「あ……あの、英二くん……?」


信じられない思いで見上げた英二くんの顔は、まさにあの頃の怖く険しいそれで、どうして……?、そうバクバクする心臓をぎゅっと抑える。


「英二くん、ごめん、なさい、私、嫌って、わけじゃ……」

「なんで謝んだよ?、小宮山、オレに謝んなきゃなんないことしたわけ?」

「いえ、そう言うわけじゃ……」


寒さと恐怖で声が震える。
それから、ひどい混乱……
英二くん、どうして急に……?


急に……?
ううん、急じゃないのかもしれない……


教室では普通だった……と思う。
普通に話をしていたし、笑顔だっていつも通りだったと……
でも、もしかしたら、私がいっぱいいっぱいだったから、英二くんの些細な笑顔の変化に、気が付けなかったのかもしれない……


英二くん、本当は、いつから怒っていたの……?


「嫌じゃないならいいじゃん?」


また無理やり重ねられた唇。
そのまま、英二くんがセーラーのリボンに手をかける……
その行動にハッとして、ダメ!、慌ててそれを拒む。


リボンを外されたら見られちゃう!
昨夜、あの男の人に付けられた、くっきりと残る赤い痕……


それだけは絶対ダメ、必死にリボンを握りしめる。


「……だから、何でだよ?」


さらに低くなった声……
なんでって、そんなこと言えるはずがない……
ごめんなさい、そうただ震える声で謝るしかなくて……


「だから、悪いことしてないなら、謝んなって言ってんだろ!!」


英二くんの声が荒がる。
ビクッと震える身体……
力ずくで解かれた胸のリボン……




その瞬間、英二くんの動きが止まった____





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