第101章 【ハツユキガフッタヒ】
「小宮山、早く弁当食べに行こー!」
「え?、行くって、教室で食べるんじゃないんですか……?」
「いんや、ふたりで弁当って言ったら、あそこって決まってんじゃん!」
「ええ!?、だって……」
お昼休みになるとすぐに、英二くんが立ち上がり私を急かす。
その予想外の行動に、驚いて目をぱちくりとさせてしまう。
それにしても本当にどうして外で……?
暖かい時期は定番の体育館裏の小さなスペースで食べていたけれど、もうすっかり寒くなっちゃってからは、教室でみんなで食べていたから、今日もそうかと思っていたのに……
「そんな、ちょっと待ってください、こんな寒い日に外でお弁当なんて、風邪引い……」
「ちょっとだから大丈夫だって、いいから行くよん?」
有無を言わせず引っ張られる腕……
慌ててカバンを手につかみ、何とか英二くんに着いていく。
でも、どうして……?
昇降口で靴を履きかえ外に出ると、あまりの寒さに身を縮める。
英二くん、やっぱり、中で……、そう言いかけた私には構わずに、また英二くんはさらに私の手を引っ張った。
何も言わずにずんずん進んでいく英二くんの後ろ姿をみながら、どんどん不安が胸に広がっていく……
いつもの場所につくと、英二くんはお弁当箱を乱暴に投げ捨てて、それから、突き飛ばすように私の手を離した。
勢い余って尻もちをつく私に、そのまま英二くんが覆いかぶさってくる。
その英二くんの普通じゃない様子に、おもわず後ずさりしたけれど、茂みが邪魔してそれ以上はさがれなくて……
「あ、あの、英二くん!?、ちょっ、どうし……んん!」
無理やり重ねられた唇……
まさか、英二くん、ここで!?
慌ててその胸を押し戻す。
「何でだよ?」
「あ、あの、中に入りましょう?寒くて……」
「ヤレば熱くなんじゃん?」
「でも、やっぱり……」
本当にどうして……?
もう学校ではしないって約束したのに……
だいたい、こんな寒い日に、こんな強引に……