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【テニプリ】闇菊【R18】

第99章 【マコト】




すっかり派手にライトアップされた入口を、名前も知らない男の人と寄り添って入る。
心の奥底では嫌で嫌で仕方が無いのに、もう閉じた心ではその感情すら感じなくて……


「どの部屋がいい?」

「どこでも……出来れば落ち着いた感じの部屋がいいです」

「じゃあ、ここにしようか」


パネルのライトが消えて落ちてきた鍵を手にエレベーターへと向かう。
多分、ここに入ったら、きっとその瞬間から、私はもう……


大丈夫……私ならできる……
大丈夫……英二くんを守るためだから……


案の定、エレベーターが閉まった瞬間、奥の壁に押し付けられて、強引に唇を重ねられる。
無理やり口をこじ開けられて、男の舌が侵入してくる。


英二くんのときだってそうだったから、予想も覚悟もしていたつもりなのに、やっぱり気持ち悪くて身体が強張ってしまう。
滲む涙……でも、ダメ!、我慢しなくちゃ、必死に心を押し殺し、その男の首に腕を回す。


あっという間にコートのボタンが外され、大きく開いた胸元に男の人が顔を埋める。
脚のあいだに押し付けられる男の太ももに、お腹に当たる硬い感触……


イヤ……キモチワルイ……大丈夫……ちゃんと出来る……


「ハァハァ……柔らかくて、イイニオイ……やっぱり女子高生は最高だ……」


鼻息を荒くして胸の谷間に舌を這わせるその男の人を、嫌悪感しかない心で受け入れる。
チクリと感じた痛み……
ハッとして慌ててその身体を押し戻す。


「ダメ!!、痕、つけないでっ!」


必死に抵抗したけれど、グイッと腰を引き寄せられて……
その男に、チリチリと繰り返し痛みを与え続けられて……


ヤダ!、英二くんだけなのに!
私にしるしをつけるのは、英二くんだけなのに!!


「お願い、本当にやめて!!」


イヤ!、やめて!!、一度口をついたその言葉は、閉ざしていた心の壁をあっさりと崩壊させて、覚悟も信念も全て忘れさせて……

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