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【テニプリ】闇菊【R18】

第99章 【マコト】




「どーしても、ダメ……?」

「……はい、本当に申し訳ありません……」


ちゃんと納得してくれてたはずなのに、こうやって寄り添っていると、英二くんはそう何度も確認をしてきて……
その度に断らなきゃいけないのが、苦しくて辛すぎて……


「……だってさ、オレ、誕生日なんだよん?」

「はい……ごめんなさい……」


英二くんにとって、誕生日は特別で……
幼い頃、いくら慣れているからって、誕生日にたった一人で過ごすのは辛かったって、だから、私と過ごせるのが凄く嬉しいって、言ってくれてたのに……


「小宮山、いっつも忙しいから、オレ、すんげー我慢してんだけどー?」

「……ごめんなさい……」


いくら私だって、英二くんが本当に言いたいことは分かってる。
男の子だもん……ましてや、英二くん、そういう我慢とは無縁に生きてきたんだし……


「すぐ帰るからさ……?」

「……ごめんなさい……」


私がオンナノコになったこともあるし、ここのところ、なかなかそういう機会がなくて……
きっと英二くん、本当はすごく不満に思っているはずで……


「むー、あんま、ほっとかれると、オレ、また『オトモダチ』に連絡しちゃうんだかんなっ!」


こんなに英二くんのことを我慢させているのに、他の男の人に抱かれないといけないなんて……
そう思うと、本当に申し訳なくて、ポロポロと涙がこぼれ落ちる。


「わわっ、うそうそ!、小宮山、今のジョーダンだから!、オレ、もう小宮山以外、指一本触れないからっ!」


泣かないって決めたのに……
泣いたら、きっと、決心が鈍ってしまうから……


だから、お願い、もう抱きしめたりしないで……?


「ごめんなさい……本当に、ごめんなさい……」

「小宮山、悪くないよん!、ゴメン!、酷いこと言って、ほんとにゴメン!」


私の涙の理由を勘違いした英二くんが、必死に謝ってくれる。
その腕の中で、私もひたすら謝り続けるしかなかった……

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