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【テニプリ】闇菊【R18】

第97章 【ラブアンドピース】




「……璃音、入るよ」

「あっ!、美沙!、ちょ、ちょっと待ってください!」


カーテンの外から、市川の声が聞こえ、ガバッと小宮山から離れる。
慌てて離れたものだから、ギシギシと派手にパイプベッドが軋んで、余計に焦ってしまう。


「……もう、大丈夫?」

「は、はい、どうぞ!」


急いで横のパイプ椅子に座ると同時に、カーテンを開けて市川が顔を覗かせる。
うわー、すげー、気まずい……
あからさまに真っ赤な顔で俯いている小宮山と、訝しげに眺めてる市川……


ここは、オレが空気変えないと……!


……って、思うんだけど、平気な顔して、ヤッホーって手でも振っときゃいいんだけど、そう思うんだけど……


自分でもわかる。
オレ、小宮山に負けないくらい、今、顔、赤くなってる……


「……英二、こんな時にまで璃音に手ぇだしたら、殺すよ?」

「な!、オレがんなことするはずないじゃん!」

「いや、あんたのことだから、他の方法で抜いてって言い出し……」

「美沙!、なんてこと言うんですか!」


言い出しそう、そう市川が言い終わらないうちに、小宮山がその言葉を打ち消した。


だけど、英二くんがそんなこと、言うはず……ナイジャ……ナイデスカ……、そう、せっかくフォローしようとしてくれた言葉は、だんだん尻つぼみになっていって、オドオドと視線は泳がせるし、挙句、結局はまた黙り込んで俯いてしまうし……


小宮山ー!
気持ちはありがたいけれど、それじゃ、完全に認めてるようなもんだから!


まぁ、確かに、そんなことやらせたこともあったかんね……
まだ、無理やり脅してヤってたころの話だけど……


そういや、あん時は小宮山、まだツンツンしてて、シレッと「生理ですから」なんて言っちゃってて、今とは大違いで……
だけど、本当の今を知ったからこそ、あの頃の小宮山もすげー可愛いくて……


結局、黙り込んでしまった小宮山の様子に、英二ぃー?、なんて市川は疑惑いっぱいの視線を向けるから、だから違っての!、そう力いっぱい声を張り上げた。

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