第97章 【ラブアンドピース】
「小宮山、ゴメン、起こしちゃった……?」
「いいえ……大丈夫です、それより英二くん、今、先生に失礼なこと言ってなかったですか?」
「言ってない!言ってない!、オレがんなこと言うわけないじゃん!、こんなに先生のこと、ソンケーしてんだからさ?」
ほぉ~?、そう額に怒りマークを浮かべて苦笑いしている先生を無視すると、ブンブンと首を横に振りながらカーテンを閉める。
それより、寝てなきゃダメじゃん!、そう言って起き上がった小宮山の身体をもう一度寝かしつける。
「顔、蒼いぞ……?、熱……は、なさそうだけど……もしかして、ボールぶつかった?、小宮山、運動神経悪いからにゃ……」
ベッドに横にさせると、小宮山の顔を覗き込み、おでこ同士をくっつけ体温を確かめる。
それから、身体中にタッチして怪我してないか確かめると、蒼かった小宮山の顔がどんどん赤くなってきて……
「はにゃ!?、やっぱ、熱あるかも!?」
「ち、違いますっ!、ちょっと貧血起こしただけですから……それに私、運動神経はいたって普通……」
「いんや、小宮山なら、顔面レシーブしたりしそうだぞ?」
そんなはず、ないじゃないですか……、そう頬を膨らませる小宮山の様子に、さっきまでの不安は少し落ち着いて、だけど、やっぱりまだ心配で、ほんとに大丈夫?、そうもう一度問いかける。
「はい、あの……病気というわけじゃないので……その……」
顔を真っ赤にさせて、目を泳がせるその様子に、あ、そっか、そう察して納得する。
小宮山、オンナノコの日なのねん……
もうそんな時期だっけ……
「大丈夫……?、お腹痛い……?」
「はい……でも、さっき鎮痛剤を飲みましたので、そのうち、落ち着くと思います」
女の子は本当に大変だと思う……
男のオレには想像しか出来ないけれど、毎月、毎月……
かーちゃんもねーちゃんたちも、何となく、その時はわかる。
イライラして怒りっぽくて、だるそうで眠そうで……