第97章 【ラブアンドピース】
「いや、璃音ちゃんも招待すればいいじゃん、うちの誕生会に」
なにも迷うことないでしょ、そう横からねーちゃんが口を挟む。
その声に、へ?って思って、小宮山もうちに?、って目を見開いて、それから、ん、璃音ちゃん?って驚いて……
「小宮山もうちに……って、それよりなんだよ、璃音ちゃんって!」
「璃音ちゃんは璃音ちゃんでしょ、私、いつもLINEでそう呼んでるよ。あんたこそいつまで苗字?……ヘタレ?」
「そんなの、ねーちゃんにカンケーないだろ!って言うか、いつの間にLINE交換したんだよ!」
「そんなの、この前来た時に決まってるでしょ……」
聞いてないよ〜!、そう文句を言うオレに、言ってないもん、なんてケロッとねーちゃんは答える。
あー、そうだよな!、ねーちゃんはそういうやつだよな!
でも、小宮山も教えてくれたって……って思って、いや、小宮山のことだから、聞かれませんでしたので……なんて本気でいいそうで……
「あぁ、それ、いいわね、9人でも10人でも変わらないし、この前、小宮山さんきたとき楽しかったものね、そうしましょう」
「そうしましょうって、かーちゃん、ちょっと待ってよ、小宮山にも聞いてみないと……」
わかんないじゃん、そんなオレの声なんか、かーちゃんにもねーちゃんにも全く聞こえてないようで、だから、ちょっと待ってよ〜!、なんて声を張り上げる。
だけど、そのオレの訴えまでも、完全にスルーされて……
やっぱ、オレ、全然、大切にされてなんかないかも、そうガクリと肩を落として項垂れた。
はぁ……、小宮山になんて言うかなぁ……
学校につくと、掛けられる朝の挨拶に、返事もしないで考える。
小宮山のことだから、かーちゃんが誕生日に呼んでることを伝えたら、本当にいいんですか?って、嬉しそうに喜びそうだけど、オレとしてはやっぱ、小宮山と2人きりで過ごしたくて……