• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第95章 【ソラニウカブ】




「はっ!、まさか、手作りじゃないよな!?」

「い、いえ、それは……その、手作りしたクッキーは、何故か爆発しちゃいまして……」


手作りじゃないと聞いて、良かった、そうホッとして……
それから、ん?、爆発?って首を傾げて……


まぁ、究極の不器用で料理音痴の小宮山なら、有り得ない話じゃないけど……


「まぁ、いいや、この冬は必ず小宮山の本命チョコ、オレにくんなきゃ、怒るかんね?」

「は、はい!、必ず……」

「絶対、手作りだかんな?、例え失敗したって、オレ、ぜんぶ食べるからさ?」


失敗するのが大前提なんですね……、そう苦笑いする小宮山に、あ、いや、その、なんて言葉を詰まらせる。
いいんですよ、事実ですし、そう小宮山がクスクス笑いながら、でも、頑張りますね……、なんて言って、グッと拳を握りしめた。


「あ、でも、まずは英二くんの誕生日ですよね?」


その小宮山の言葉に、一瞬、身体の動きが止まった。
オレのその様子に、あ、やっぱり、私じゃダメですか……?、そう小宮山が眉を下げる。


「ダメじゃない!、小宮山じゃなきゃ、ヤダってば!」


慌ててブンブンと首を横に振った。
もちろん、小宮山に祝ってもらいたいけど……
さっき、誕生日だけ敢えて外して言ったのは、一度、小宮山を裏切ってる負い目っていうか……


裏切っている間に、芽衣子ちゃんと誕生日の約束をしたの、小宮山に見られていたはずだから……


なんか、切り出しにくくて……


「……オレさ、ガキの頃……菊丸家に来る前……」


そのオレの言葉に、小宮山が顔を固まらせる。
……はい、少し間を開けて、そう返事をする。


「あの女にとってはさ、オレの誕生日なんて全くカンケーなくてさ……誕生日とかクリスマスとか……やっぱ、そんな日にひとりは特に辛くてさ……」


だから、菊丸家にきてからは、なおさら幸せで……
小宮山がいてくれたら、もっと、絶対、幸せで……

/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp