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【テニプリ】闇菊【R18】

第95章 【ソラニウカブ】




「名前は明かしたくなかったから、朝早くこっそり机に置いておくつもりだったんですけど、もうたくさんの女の子が来ていて……」


確かにバレンタインは毎年、たくさんのチョコを貰えて……
でも、今年って……、ダメだ、カラオケ屋で乱交パーティーしたことしか思い出せない……


「色々、作戦考えて、私、自分だって気づかれないために、メガネと三つ編み解いて素顔にまでなって……」


あの頃の小宮山が!?
この見た目で目立ちたくないって、頑なに素顔を隠してたはずの小宮山が、そこまでしてオレにチョコを渡そうとしてくれてたなんて……


「でも、英二くん、いつもたくさんの人に囲まれてて、諦めて帰ろうとしたけど帰れなくて、校門のところで未練がましく待ち続けて……」


校門のことろ……?
あ、今、記憶の片隅で、何かが引っかかった……


「せっかく英二くんが1人で出てきたのに、私、緊張しすぎてとても声なんてかけれなくて……」


ぼんやりと思い出すあの日の記憶……
引っかかった記憶を無理やり手繰り寄せると、徐々に蘇ってくる情景……


耳まで真っ赤にして、ただ俯いたままの……
目を見開いて、小宮山の顔をじっと見つめる。


確かにバレンタインの日、帰る時に校門で立ち尽くしてる女子がいて……
本命チョコを渡すためにオレを待っているのに気がついたから、オレ、面倒でわざと素通りして……


そうだよ、髪の毛で顔ははっきり見えなかったけど、アレ、どう考えても小宮山じゃん……!


「……思い出した……そだね、あの子、小宮山だ……」


頭を抱えるオレを見て、あ、気づいてたんですか?、そう小宮山が苦笑いする。
ゴメン、オレ、折角、小宮山がチョコくれようとしてたのに……、そう項垂れながら謝ると、英二くんは何も悪くないじゃないですか!、そう小宮山が慌ててそれを否定する。

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