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【テニプリ】闇菊【R18】

第94章 【ドウカシアワセニ】




「……ゴメンな、気づいてやれなくて……不安にさせて……」

『いいえ、そんな!、私が勝手に……』

「他にもあった?、オレ、気がつかない間に小宮山を不安にさせてた……?」

『……それは……』


もともと、オレは人の気持ちに鈍感なところがあって……
不二みたいに、察しがいいわけじゃなくて……


言葉にしてもらわないと、どうしても小宮山の不安を見逃してしまうから……


「ちゃんと言って……?、オレ、知りたい……」

『そ、その……でも……本当に私が勝手に……だから……』

「ん、教えて?、オレ、隠し事、されたくない……」


自分でもずるい言い方だと思う。
でも、こうでも言わなきゃ、小宮山はオレに本当の気持ちを言ってはくれなそうで……


『あ、あの……前に……私、英二くんのバイト先に、勝手に行ったことがあって……それで……』


マジで?、そう驚いて声を上げた。
ごめんなさい!、なんてすぐに怯えて謝る小宮山に、いや、小宮山、悪くないよん!、そう慌てて否定した。


小宮山、バイト先に来たことあったんだ……
それでも、オレに声をかけずに帰ったのは、きっと、そこでオレと芽衣子ちゃんを目撃したからで……


「ゴメンな……ビックリしたよな……?」

『……はい……』


いつ?、そう恐る恐る問いかけると、小宮山はしばらく沈黙したあと、英二くんがうちに来てくれるはずだった日に、迎えに行たら、その……、そう言いにくそうに呟いた。


「____っ!」


絶句、まさにその言葉がピッタリだった。
それはオレが思っていたより、ずっと小宮山を苦しめてたってことで……
その後、結局、小宮山を捨てたんだから、傷つけたのに変わりはないんだけど、それでも、余計に傷つけたことに違いなくて……

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