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【テニプリ】闇菊【R18】

第93章 【ウワガキ】




「あ、あの……英二くん……私だけ、なんて……ハズカシイ、から……その、だから……英二くんも……」


小宮山のその言葉に、思いっきり動揺した。
普通だったら、そんなこと小宮山から言われたら、すげー興奮するところだけど……
でも、今は、言われるのが、一番、気まずい言葉で……


破きかけたゴムの袋を口から外し、そのまま外せるはずないシャツのボタンを握りしめた。
その瞬間、小宮山は顔を固まらせて、それから申し訳なさそうに俯いた。


その小宮山の様子に、ああ、小宮山、感づいたんだな、そう気がついて余計に気まずくなる……


そうだよ……外せるはずないんだ……
我慢しなくちゃ、いけなかったんだ……


分かってたはずなのに、昨日から、小宮山を抱きしめていると、どうしてもその先へと進みたくなってしまって……


見せられるはずないのに……
オレの全身に散らばる、芽衣子ちゃんが付けたキスマークなんか、小宮山に見せられるはず、ないのに……


すべて消えて、キレイになるまでは、我慢しなくちゃ、いけなかったのに……










「あ、あの……英二くん……私、見たい、です……」


オレのその様子に、俯いてしまっていた小宮山が、そう声を振り絞る。
その思いがけない言葉に、どうしていいか戸惑ってしまう。


見たいって、小宮山だって気がついているはずなのに……
気がついていて、それでも見たいって……


見たいはずなんか、ないのに……
そんな小宮山の真意が分からなくて、どうしたらいいか分からず、混乱してしまって……


「あ……ゴメン……オレ……」

「平気です……私、平気ですから……」


そっと小宮山の手がシャツのボタンを握るオレの手に重ねられる。
真っ直ぐにオレを見る小宮山の目は、いつもの、確固たる意志を秘めた力強いもので……


平気なはずないのに、小宮山のその視線を拒むことが出来なくて……

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