第93章 【ウワガキ】
こんな不完全燃焼、苦しくて耐えられない……!
そんな私の哀願に、約束だかんな?、そう言って目尻の涙をペロっと舐めとった英二くんは、もう1度、大きく広げられた脚のあいだに身体を滑らせる。
一気に反り返る身体……
足のつま先まで、ビクンと力が入る。
まさに最短記録、こんなにすぐに登り詰めるなんて、私の身体、どれだけ英二くんのこと、求めていたっていうの……?
「あ、あぁっ!、英二くんっ!、イッちゃう!、もう、私、イッちゃう!!」
アアアァァッ!、あっさりと大きな叫び声をあげた私は、それから何度も身体を痙攣させた。
「小宮山、可愛い……」
朦朧とする意識の中、耳元で英二くんが囁いてくれる。
すごく優しい、甘い声……
気持ちいい……
魂が身体から抜け出して、ふわふわ浮いているみたい……
そんな私を我に返したのは、カチャカチャと英二くんがベルトを外す音……
その音に期待した下腹部が、さらなる刺激を求めて疼いてしまう……
身体を起こして、サイフから避妊具を取り出す英二くんを、ぼんやりと眺める。
ああ、この瞬間が、堪らない……
英二くんが、もう我慢出来ないって目で私を見ている……
これから私の中で、キモチヨクなりたいって、少し焦りながら……
夢心地の中、気がついた違和感……
英二くん、変……、絶対、おかしい……
だって、私だけ、生まれたままの姿にされていて……
それに比べて、英二くんはやっとベルトを外したくらいで、それ以外はシャツのボタンひとつ外してなくて……
学校でシテいたときは、そりゃ、お互い肌の露出は最低限だったけど、それでも英二くんだって動きやすいように、少しくらいは着崩していたのに……
ましてや、今は私の部屋……
いつも英二くんだって、私と同じように、全部脱いでいたのに、どうして……?