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【テニプリ】闇菊【R18】

第92章 【ケツイトマヨイ】




甘い……美味しい……!


覚悟を決めてパクっと口に頬張ったパンケーキは、英二くんのお兄さんが作っただけあって、生クリームとメープルシロップのハーモニーが絶妙で……
焼いてから時間が経ってしまっているけれど、そんなの感じさせないくらいフワフワで……


まるでお店で食べるような、絶品パンケーキなんだけど……
本当に、そう思うんだけど……


やっぱり、二日酔いの体調にはキツすぎて……


「もう、小宮山さん、やめなってば……」

「ダメです……せっかくのお兄さんの好意を無にするわけには行きません、私のために作ってくださったんですよね?」

「ま、まぁ……『JKは甘い物が好きに違いない!』なんて言って、ウキウキしながら作ってたけど……」


やっぱり、わざわざ私のために作ってくれたんだもん……
見ただけで「うぷっ」となりそうな生クリームは、さすがに二日酔いじゃなくても、ここまではちょっと……なんて思ってしまうほどの量だけど……


やっぱり、食べないなんて選択肢は有り得なくて……


「本当、小宮山さんって英二の言う通り、言い出したらきかないのね……」

「うんにゃー、頑固一徹とーちゃん、星飛雄馬もビックリ仰天あわわわわ〜ってね?」


なんかよく分からない独特の受け答えをした英二くんと、それを何事もないように受け流したお姉さんは、どちらからともなく食器棚から取り皿と、ナイフとフォークを持ってきて、私のお皿のパーケーキを取り分ける。


「あ、あの……?」

「だって小宮山、死んでも全部、食べるじゃん?」

「そうそう、みんなで食べた方が負担が少ないじゃない?」


だって、さっき、みんな残してたって……
胃もたれしそうって、言ってたのに……


「あ、あの、でも……」

「いーから、いーから、急いで食べる!、いやいや食べても美味しくないよん!」


本当に英二くんもお姉さんも、優しい……
突き合わせて申し訳ないなって気持ちと、付き合ってくれる嬉しさを噛み締めながら、お兄さんのパンケーキをまた口に運んだ。

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