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【テニプリ】闇菊【R18】

第92章 【ケツイトマヨイ】




「それより英二、私にもちょうだい、朝からあんなの食べさせられて胃がもたれそう……まったく、おにいったら、いくら小宮山さんが女子高生だからって、あれはないわ……」


お兄さん……?
私が女子高生だから……?


意味が分からず首をかしげてしまうと、そんな私を気にする英二くんの顔が一気に青ざめていく。


「うわっ!、ねーちゃんのバカ!」

「はぁー?、なんであんたにそんなこと言われないといけないのよ!」


焦る英二くんと、怒るお姉さんのやり取りを眺めながら、お兄さん……私が女子高生だから……そうもう一度繰り返す。
それから、ふと思いついたある考え……


「……英二くん、お兄さんの作った朝食ってなんですか?」


英二くんのおうちはご両親共働きだから、以前から朝食は当番制って聞いていた。
この話の流れで考えられるのは、今朝の当番はお兄さんで、お兄さんは私のためにメニューを考えてくれたってこと……


「さ、さぁ~?、オレにはなんのことだか……」

「あるんですよね?、食べますから、出してください」


こんな時、英二くんの嘘はわかり易い。
絶対、私の目を見ないから……


「だから、小宮山には内緒にしとこうと思ったのに……ビックリするよん?」


大きなため息をつきながら英二くんが持ってきたのは、言葉を失うほど生クリームてんこ盛りのパンケーキ……
えっと……、そう次の言葉が出てこない私に、二日酔いにはキツイかんな?、なんて言って英二くんが苦笑いする。


「ちょっと、小宮山さん、食べる気?、こんなのみんな無理だってほとんど残してたよ?」

「いえ、大丈夫です、ちゃんといただきます」


黙ってナイフとフォークを用意してくれた英二くんに、ありがとうございます、そうペコリと頭を下げる。
すーっと大きく息を吸うと、もう1度、いただきますと両手を合わせて、それからゆっくりとパンケーキにナイフを入れた。

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