第92章 【ケツイトマヨイ】
これって、もしかして、あの時、気が付かなくてカクテルひと口飲んだから……?
ってことは、まさか、これが噂の二日酔い……?
なんで?、私が飲んだの、たったひと口なのに……
もちろん、アルコールを口にしたのは初めてだから、二日酔いなんて経験ないし、本当にこれが二日酔いか分からないけれど、「記憶が無い」「頭痛」なんて症状は、よく聞くそれのものと同じで……
とにかく、時間……
そう英二くんの部屋のデジタル時計を確認する。
え?、もうこんな時間!?
それは普段の私からは考えられないような時間で、信じられない!、そう慌ててガバッと立ち上がる。
だから、頭、痛いんだった……
おもいっきり立ち上がったはいいけれど、やっぱり頭はガンガンして……
でも、ダメ、早く着替えて洗面所借りて、皆さんにご挨拶しなきゃ……
よりによって、英二くんの家に泊まりに来てる時に寝坊だなんて……
って、もしかして、これもアルコールのせい……?
今日は月曜日、私と英二くんは学園祭の振替でお休みだけど、皆さんは普通に会社や学校があるはず……
もうとっくに起きて、もしかしたら家を出た後かもしれない……!
……って、何これ!?
なんとか立ち上がって歩き出したところで気がついた自分の格好……
昨日は確かにお姉さんに借りたパジャマを着てたはずなのに、今、私が身にまとっているのは、どう見てもワイシャツ1枚……
何で、こんなことになってるのーーー!?
慌ててその場にしゃがみこみ、ギュッと身体を抱きしめる。
それからさっきまで私が寝ていたところに転がっている英二くんのネコ耳……
英二くん、私にいったい何をさせたの……?
肝心の英二くんと言ったら、部屋の中を見回しても全然いなくて、こんな時にどこ行ったの?、なんて恨めしく思いながらも、とにかく、着替えなくちゃ……、そう自分の体操着へと着替えを済ませた。