第91章 【シアワセナヨル】
「みんな、このことは忘れてやって?、小宮山、きっと知ったら一生うちに来れないから……」
「分かってるわよ、だいたい、こうなったの英二のせいだし……」
この様子じゃ、明日の朝には小宮山自身、記憶飛んでるだろうけど、もし覚えていたら、その時は夢だってゴリ押しすりゃ何とかなるだろ……
「聞いてくらさいよ〜、英二くん、いーっもイジワルなんれす!、最初らって、私が英二くんを好きなのをいいことに、体育館倉庫で……」
「うわーーー!!、小宮山、ストップ、ストップ!!」
突然、とんでもない事を言い始めた小宮山の口を慌てて抑える。
え?、何?、そう訝しげに見る家族に、べ、別に、何でもないよん?、なんて苦笑いをする。
ったく、小宮山、いきなり家族になに暴露しようとしてんだよー!!
それは確実に、最初にオレが小宮山を犯したことを言おうとしていて……
んなことバラされたら、もうオレの人生、終わったも同然で……
「小宮山、それはオレと小宮山の二人だけの秘密だって言ったろー?」
「……秘密?、二人だけの……?」
「そそ、二人だけの、にゃ?」
二人だけの秘密、その言葉をいたく気に入ったか、小宮山はご満悦な様子で、秘密、秘密と繰り返す。
はっ!、れも、英二くん、不二くんに話しちゃっらから、もう二人の秘密じゃらいもん……、なんて頬を膨らませる小宮山と、ちょっと、何なの?、とまだ納得出来ない様子の家族に挟まれて、メンドクセー……そう頭を抱えてため息をついた。
「……アツい……」
小さく呟いた小宮山が、突然、パジャマのボタンを外し始める。
わわっ!、小宮山、何やってんだよ!、そう慌てて止めに入ると、らって、アツいんらもん……、そう言いながら、さらにまた一つ、次のボタンに手をかける。
「小宮山!、マジでヤバいって!」
この場には、オレだけじゃなく、じーちゃんとばーちゃん以外の家族がみんな揃っていて……
当然、かーちゃんやねーちゃんたちだけじゃなく、男のとーちゃんやにーちゃんたちもいるわけで……