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【テニプリ】闇菊【R18】

第89章 【カイホウ】




「それじゃ、英二のこと、よろしくね?、私、これから夕飯の支度があるから……」

「あ、はい、すみません、お手伝いもしなくて……」


いいのよ、英二の側にいてあげて?、そう言って英二くんのお母さんは、静かに扉を閉める。
また静かになった部屋で振り返ると目に止まる大五郎……
そっと近づき、久しぶりね、そう言ってその頭をゆっくりと2回撫でた。


今日、この部屋に来た時も、すぐに大五郎に気がついた。
真っ先に挨拶したかったんだけど、英二くんの気持ちを思ってしないでいたら、チラチラ視線を向けていたのがバレバレだったようで、なに遠慮してんの?って笑われた。


また私に大五郎を触らせてくれることが嬉しくて、まだ力のない笑顔だったけど、英二くんに少しずつ笑顔が戻ってきてくれたことにもホッとして、でもすぐにそれが辛そうな表情に戻ってしまうのが悲しくて……


「……英二くん、少し休んでください、大五郎、連れていきます?」

「いんや、小宮山がいい……こっち来て?」


ベッドに横になった英二くんが手を伸ばすから、はい、そう急いで近寄りその手を繋いだ。
ゴメン、そうまた謝る英二くんに、もう聞き飽きましたよ?、そう言ってふふっと笑った。


「小宮山……オレさ……」

「今はゆっくり休んでください、ずっと側に居ますから……」

「ん……ゴメ……少し、寝る……」


よほど身体が辛かったのか、ベッドに横になると英二くんはすぐに眠ってしまって……
寝息が定期的になったのを見計らって指を放すと、改めてぐるっと部屋の中を見回した。


壁に左側を預けてちょこんと座っている大五郎……
無造作に重ねられている大量の雑誌の山……
お世辞にも勉強しているとは言い難い机とその上のパソコン……
壁に沢山はられたアイドルのポスター……


前来たときはゆっくり見られなかったから、じっくりと眺めてしまう。
そのひとつひとつがまさに英二くんにピッタリで、胸がきゅっと高鳴った。

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