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【テニプリ】闇菊【R18】

第88章 【キクマルサン】




「芽衣子、お前はいつからそんなワガママになったんだ!、お母さまとお兄さまに失礼だろう!、謝りなさい!」

「……いいんですのよ、多感なお年頃ですもの、ビックリしちゃったんですよ。大丈夫、すぐに仲良くなれますわ」


だけど父は私の希望は聞いてくれなかった。
それどころか、私のことをワガママだって一括すると、あからさまに不機嫌な顔をして、バン!と大きな音を立てて部屋から出て行った。


いつだって温厚なお父さまに、そんな態度を取られたことが信じられなくて、ただ呆然とその背中を見送った。


「本当、お嬢様はワガママに育てられて嫌だわ、これからは私がしっかり目を光らせないと……今まで通り何でも思い通りになると思ったら大間違いですからね!」

「ねぇ、ママー、使用人は僕の自由にしていいんだよねー?」

「えぇ、もちろんよ。でもこれからはママじゃなくお母さまだって言ったでしょ?あなたはこの鳴海グループの後継者になったんですからね、相応しい言葉遣いをしなさい?」

「はい、お母さま」


お父さまがいなくなった途端、急に態度を変えたその人たちは、我が物顔で執事さんや家政婦さんたちを使い出した。
皆さん、しっかりしたプロで嫌な顔ひとつせずに命令をきくから、その女達はますます図に乗りだして……


認めない、絶対、認めないんだから!


亡くなったお母さまの部屋に飛び込むと、そのままベッドに頬を埋めて泣き叫んだ……









「お待たせして申し訳ございません、お嬢様」

「別に構わないけど……時間に遅れるなんて珍しいわね、混んでいたの?」

「いえ……その、お屋敷の方で少々手間取りまして……」


ある日、学校が終わる時間になっても運転手さんが迎えに来なくて、いつも時間に正確なのに珍しいな?って思って訳を聞いたんだけどはっきり答えてもらえなくて、嫌な予感がして胸がざわめいた。

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