第15章 【アマクテニガイ】
先程までトロトロになっていた私の心と身体は、初めて一糸まとわぬ姿にされたことにより、恥ずかしさと緊張とで、ガチガチになっていた。
そんな私に英二くんは、小宮山、可愛い、そう耳元でそっと囁く。
そんなことを言われると、本音でないのは分かっていても、身体が熱くなってますます緊張してしまう。
いつも通りで大丈夫だって、そう言う英二くんに、そんなこと言ったって……そう涙目で彼の顔を見上げる。
見上げたところでやっぱり彼も何も着ていなくて、細い癖に筋肉質な身体のラインが更に恥ずかしさに拍車をかけた。
やっぱり耐えられない!!
目のやり場に困って慌ててタオルケットに手を伸ばすと、ガバッと頭からそれをかぶる。
「お願い……今日はこのまま、ね?」
そう頭から目だけ出して訴える私に、そーきたか、なんて英二くんは苦笑いしながら私のタオルケットを引っ剥がそうとするから、ギュッと握って必死に抵抗する。
すると彼は急にタオルケットを捲る力を抜いて、いーよ、だったら他の女を想像してヤっちゃうかんね?そう言って黙り込んだ。
他の女を想像して……?
他の女の人を想いながら私を抱く英二くんを想像したら、考えただけ泣きそうになる。
そっとタオルケットをめくって手放すと、そんなのやだぁ……そう涙目で訴えた。
そんな私に英二くんはプッと吹き出して、冗談だって、そう髪をなでて唇を重ねると、もう一度ゆっくりと舌を絡め合うキスをする。
彼の手が私の胸を優しく包み込み、身体がピクンと反応して口から吐息が溢れだすと、キスの雨が身体中に降り注ぎ、所々に赤い花びらを散らしていく。
そんな彼の動き全てが気持ち良くて、身体中を撫でられるとゾクゾクして、私の胸に顔を寄せる彼の首に両手を回して引き寄せると、力抜けた?そう言って英二くんは笑った。