第2章 アルスラーン戦記短編*ハロウィン
10月31日。
夕食を終えて一息ついた頃…
兼ねてより練られていた作戦が実行に移される時が来た。
ゴクリ…
皆が固唾を飲む中、カナヤは黒いフード付きマントに身を固めて身を屈めていた。
(ね、ねぇギーヴ、これちょっと…なんかアレなんだけど)
(何をおっしゃいますか、とてもお似合いですよ、カナヤ殿)
(いや、似合うとかそういう話じゃなくて…)
カナヤは口の端をぎゅっと結ぶと、マントの中を1度みてにわかに赤面する。
(一体どんな服にしたのさ)
(それは見てからのお楽しみ)
興味津々なアルフリードをギーヴが制す。その涼し気な顔を見て膨れっ面になった所で、時間だとエラムが声をかける。
「さ、行きましょうか」
みんなに倣い一番後ろを忍び足でついていくカナヤ。が、クンッとマントを引かれてよろめいて尻餅をついてしまった。
みると、長すぎるマントの端が隙間から出ていた棒らしきものに引っかかってしまっている。
ささくれだったそれにくい込むようになってしまっていて、なかなか外すことが出来ないでいた。
「あ、」
(ちょっとまって、誰か気づいてよ、引っかかったんだってば!もー!!)
ランタンは先頭にいたエラムしか持っておらず、完全に真っ暗になるとカナヤはへたり込んでしまった。
(お、置いてかれた……)
引っかかったマントの先も見えず、かと言ってこのマントを脱いで動く気にはなれない。
途方に暮れていると、後ろから気配がした。
※事項からキャラ毎の話の展開に分岐します。
ダリューン⇒P10~P12
エラム⇒P13~P15
アルスラーン⇒P16~P18
ナルサス⇒(10/9以下未完)
ギーヴ⇒