第2章 短編集2
ささやかでかけがえのない
幸せの欠片をちりばめよう
星屑ワルツ
夕食も終わり、お風呂にも入り、一階で一息ついていたときのこと。
外がいつもより明るいのに気がついた。
「葉子、ちょっと外に出ないか?」
「え、こんな遅くにどこかいくの?」
「いいから早く!」
ダイヤルを赤にして花畑に出る。
いつもは暗くてなにも見えないはずなのに、今夜は違った。
「わぁ・・・」
「キレイだね」
「満月見るのってすごく久しぶり」
「僕もだ。最近忙しかったからね」
「月明かりってやさしいね」
「そうだね」
「ねぇ、流れ星も見れないかな?」
いたずらっ子のように無邪気に笑う葉子が僕の隣にいて。
それだけで僕は幸せなんだ。
「まってて」
右手を上げて心のなかで「ルエフェル」と唱える。
すると空の奥から星屑たちが駆けてくる。
「すごい!ハウルって流れ星も流せちゃうのね!」
「今日は特別」
「ありがとう」
「ん」
そしてに葉子は僕の口付けを一粒。
今夜、愛が降ってくる