第2章 短編集2
あたしの幸せは、全部あなたがつくるの
あたしのしあわせあなたから
「ハウルー起きてー!もう日が大分高くまで昇ってるよ!」
いつみてもこの部屋は不思議だな、と思う。
まじないの道具は部屋の壁一面にあるし、机には本がこれでもかってくらい積んである。
そしてなによりもハウルの匂いがする。
あたしはこの部屋が好き。
「う・・・ん、」
「ハウルってばぁー・・・」
ハウルはとても寝起きがわるい。あたしも寝起きが悪いほうだけど、
ここまで寝起きが悪い人ははじめて。ってくらい。
「早く起きないと、あたしも寝ちゃうぞー」
「ん、」
ハウルは布団を上げた。起きるのかな?と思ったら、
そのままあたしはハウルの布団に引きずりこまれてしまった。
ハウルのベッドは、やっぱりハウルの匂いがした。
「なに?」
ハウルがあたしの手を握ってきた。あったかい。
「おまじない」
「なんの?」
「一緒の夢が見れるおまじない」
「え・・・?」
「一緒の夢、見たくない?僕は千捺と一緒の夢、見てみたいな」
ハウルはずるい。そんな顔されたら、あたしはだまって頷くしかないのに。
あなたの香りにつつまれて
もうすこしだけ、オヤスミなさい。