第8章 岩鳶 :橘真琴 切甘 続
でも今
真琴の写真を見ただけで
真琴の手紙を読んだだけで
胸がきゅんと締め付けられて
すごく苦しくて 苦しくて
なんだか胸の奥が暖かくなる。
なんだ、私はまだ真琴にあう資格がないのか。
5年間連絡はしなかった。
何度か電話やメールは来たけど返さなかった。
連絡がくるたびに胸は高鳴り声が聞きたい、顔が見たいと思う自分がいたから。
これじゃ、何のために岩鳶でたのかほんとわからないや...。
「なつみ、お昼ご飯準備できたから食べちゃいなさい」
下からお母さんの声が聞こえる。
『はーい』
力ない声しかでやしなかった。