第1章 悲しいっていうか、 :橘真琴 切甘
「もー!なっちゃん遅いよぉ!」
「なつみ先輩はその遅刻癖を治した方がいいですよ」
『…渚、怜…ぁ、うん。ごめん』
「なつみ先輩!集合写真終わったら2人で撮りましょっ!」
『コウちゃん…うん!』
「……………。遅い」
『遙、だからごめんって』
「はいはーい!井上さんも集まったんだし集合写真撮りましょ!プール映った方がいいわよね?皆こっち並んでぇ」
岩鳶での記憶が全て過去になる。
「なつみ?クスッどーした?さっきからぼーっとして…ほら、行くぞっ」
真琴の大きな手が私の手を引く。
幼い頃から変わらない。
当たり前の…日常。