第4章 縁日のご縁。 :橘真琴 甘
「でもなつみちゃんが無事でよかったよ。お祭りの時に可愛い浴衣姿の女の子が1人で歩いてるのは良く無いからさ」
ドクン ドクン
「さっきさ、なつみちゃんが見えた気がしたんだ。だからちょっと気になって....そしたら1人だったからビックリしたんだ。声かけようと思ったら振り向いてぶつかっちゃった」
ドクン ドクン ドクン
『ま、こと先輩』
「ん?」
『その、タオルすみませんでした。洗って返します////えっと、、、その、、、』
「あぁ〜!!!まこちゃんなっちゃんはっけぇーん!!」
「2人共、こんなとこで何してるんですか」
「なつみ!!!っもう!心配したんだから!」
「....真琴、探した」
心臓が.......止まるかと思った。
私はさっき何を言おうとしたのだろう。
何を真琴先輩に伝えようとしたのか。
渚くん達の声でわからなくなってしまった。
「2人とも!花火しない?さっき怜ちゃんに買ってきてもらったんだー」
「あの展望台でやりましょうよ」
「花火か...いいね!やろっか」
皆の背中が遠くなって行く。
私は水泳部じゃないし、花火を一緒にするなんて図々しい、、よね。
真琴先輩ともう少し一緒に居たかったな。