第3章 百面相 :七瀬遙 甘
「ハルと目があって恥ずかしかったんじゃない?」
「は?」
目があって恥ずかしい?
ますます意味がわからない。
そうしたらアイツの日常は大変だぞ。
人と目が合う度に恥ずかしがってるのか?
わからない。
わからない事だらけだ。
だから気になる。
アイツの事を、もっと知りたい。
――――
『はーるくんっ!見て見て!じゃーん、イワトビちゃんのシールだよ☆購買に売ってたから買っちゃった~。岩鳶高校バージョンなんだって!可愛いよね~。……って、聞いてるの?ねぇ、はるくんってば!』
なつみの表情は未だにコロコロ変わる。
いろんな表情を見たけど、俺はやっぱり笑ってる顔が一番だと思う。
「聞いてる。イワトビちゃんシール俺も欲しい」
『やっぱり!?そう言うと思ってはるくんの分も買っといたんだー』
『はるくんイワトビちゃんマニアだもんね―』とか言いながらまたなつみは笑ってる。
やっぱりこの表情が一番好きだ。