第8章 離れそうな心取り戻すため
仕事に行く途中で見慣れた後ろ姿を見つけ
「中島。」
声を掛けると振り向いた中島。
無意識なのかこいつはいつも俺を睨んでる
「そんな睨むなよ」
聖奈のことで本気になるこいつ
正直カッコいい。
前みたいな曖昧な気持ちじゃない
本気で聖奈と向き合おうとしてる。
俺は決めたんだ
こいつが本気なら身を引こうと。
ホントのあいつの笑顔。
ホントにあいつが安心できる場所
長年のこいつらの付き合い
築き上げてきた絆
その間に俺は入ることはできない。
コンサートが終わるのと同時に別れを告げる。
それが俺のケジメ